彼女の名前は「チョッちゃん」。父の反対を押し切って、オーケストラの一員で黒柳守綱さんと結婚。家事も苦手で、おまけに貧乏でしたが、「徹子(トットちゃん)」や「明児」「紀明」も生まれ、チョッちゃん達5人は幸せいっぱい。
しかし昭和16年、ついに戦争が始まりました。食べるものも着るものもなくなり、状況はひどくなる一方。
そして追い打ちをかけるような悲しい出来ごとが…。長男「明児」の病死。夫「守綱」の召集。父の死。青森県南部町への疎開。
その時チョッちゃんママは心に誓います。どんなことがあっても子どもたちは守りぬいてみせると。
昭和20年敗戦。噂では守綱は戦死したらしく、洪水で疎開先も崩壊。命からがら戻った東京は、あたり一面焼け野原。何もかも失い呆然と立ちすくむ彼女たち。その向うから歩いてくる人影が…。
いろいろなことがありました。しかし彼女は感じていました。家族が“支えあうもっともささやかな集まり”であるならば、今まさしく「私たちは家族である」と。
|