偶数月の第3金曜日、深夜0時00分に大阪駅を出発する3両編成の不思議な列車。 大勢の若い男女や、好奇心いっぱいの中年女性たちで賑わう車内。
そこに、それぞれ悩みを抱えた5人の男女も乗り込んでいた…。
そして、列車は翌朝「風町」に到着する。そこは、ぽつんと駅舎だけが立つ、ある田舎町。まぶしい陽射しと蝉時雨の中に旅人たちは降り立った。彼らは、あてもなく、ただ何となく田舎道を歩き始める。そこにあるのは静かな佇まいを見せる古い町並みと、暖かく爽やかな風。通り過ぎる人たちが微笑みかけたり、話しかけてくる。優しく、どこか懐かしい風景の中、やがて、目の前には青い海が広がり、石積みの防波堤があった…。一体、ここで彼らを待っているのは、どんな出会い、そんな出来事なのだろうか─。
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