映画
『じんじん』
私たちは地方からの文化発信を願って、
地域の方々と手を結んでいくつかの映画を製作してきました。
2017年 公開作品
映画「じんじん」
ゼネラルプロデューサー:
深津修一
エグゼクティブプロデューサー:
鳥居明夫 松本きい
製作:『じんじん』製作委員会
配給:『じんじん』全国配給委員会
出演
大地康雄
佐藤B作 中井貴恵
村田雄浩 小宮孝泰
中田喜子 小松美咲
井上正大 江沢萠子
若村麻由美 板尾創路
手塚理美
- 「じんじん」について
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俳優の大地康雄さんは、とても熱いお心をお持ちの方です。
以前から、家族さえ揺らぎ始めた地域社会と、日本の未来に大きな危惧を抱いていらっしゃいました。 そんな大地さんがある偶然のきっかけで触れることになったのが、北海道剣淵町でした。
剣淵町は30年にわたって、絵本を通した町づくりを続け、素晴らしい町をつくりあげていました。
この姿に触れた大地さんは、「剣淵の絵本のこころ」が、日本の未来を拓く大きな鍵になる・・・こう確信して映画化への熱い願いを語ったのでした。
そして、そんな熱い大地さんのお心に押される様にして、この作品は製作にインしました。
それにしても剣淵町・・・本当に素晴らしい町でした。
町長さんをはじめ、絵本の運動を展開して来た町民の方々と幾度かにわたってお話を交わす中で、私もこの町にすっかりと魅入られていたのかも知れません。
完成したこの作品と向かい合って、いかにしたならこの作品を多くの方々にお伝えできるか・・・しばらくは悩みながらの日々を数えました。
そして、その呻吟の日々からやっと見えてきたテーマが、「地域社会と家族の再生」であり「スローシネマ上映運動」でした。
この映画の上映運動を通して、地域社会を元気にさせたい・・・こんな私たちの願いに、総務省がご支援の手を重ねて下さり、それに支えられながら、全国上映運動に向けた私の行脚は全国に及びました。そして、その上映はまさにスローに、それでも着実な歩みを刻みながら、3年をかけて全国700ヶ所に拡がったのでした。
その一か所一か所に、より良き地域社会を願う住民の方々の熱い願いとドラマがありました。
映画に感動した首長さんが先頭に立って、ご賛同の団体の方々と一体となってつくりあげた数々の上映・・・。
そして、上映の経験も、大きな組織も持たない一市民が立ち上がって、ていねいにその輪を拡げながら見事な上映を実現した、まさにドラマチックな上映運動の数々・・・。
この全国上映の数々は私達に、新しい時代の「上映運動」の大きな可能性も語ってくれたのでした。
その胸を、じんじんと熱くさせながら・・・。
- 絵本作家 あべ弘士
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絵本作家 あべ弘士
大地さんが「絵本」の映画をつくるという。
絵本の創作をしている者として聞き捨てならぬ話だ。
しかも「絵本」が主役を張るらしいのだ。
えーっ?どんな話になるの?
半信半疑で、ある日ロケ地の剣淵町に見学にいった。
以前からわたしは“絵本”と“映画”はよく似ていると思っていた。
一冊の絵本がページをめくってゆく。話が展開し、風景が巡り、
主役、脇役が交差し、クライマックスとなり、終る。そして余韻。
絵本がその脚本、主演、脇役、大道具、小道具、美術、そして演出、監督を
たった一人ですべてやる。音楽がないくらいか。映画はおおぜいでやる。
違いはそんなところかな、などと高をくくって、ロケを見た。
わたしの考えは甘かった。おおぜいだ。大勢なんてもんじゃない。
スタッフ、プロデューサーが群れて、まるでサル山の猿のようだ。
この作品にかかわっている人々はまだまだたくさんいる。
人間性の魅力が映画を創り出している。大地さん、監督がうらやましく思い、絵本を創るに“初心”という言葉を思った。 -
ノンフィクション作家
柳田邦男 -
ノンフィクション作家 柳田邦男
ある家庭で、3 歳の男の子がお母さんに絵本『ちょっとだけ』を読んでもらっていた。
主人公のなっちゃんは、お母さんが赤ちゃんの世話で手いっぱいなので、
自分で牛乳をコップにつがないといけない。こぼしながらも、ちょっとだけつげた。
その場面で、男の子は「すごいね!」と感動を表し、「ぼくもー」といった。お母さんは、ハッとなった。
こぼしたことをとがめ、生まれてはじめての挑戦でちょっとだけでもできたことへの感動を共有もせずほめもしない自分に気づいたのだ。これではこどもの成長を阻害してしまう。
私は今、「おとなの再生、こどもの成長」というキャッチフレーズで、
おとなもこどもも一緒に絵本に親しむ生活文化を家庭や地域に根づかせる活動をしている。
とくに家で親子が本を読む「家読(うちどく)」運動の支援に力を入れている。
その草分けというべき剣淵町の絵本をめぐる親と子の物語が映画化されると聞き、100万の援軍を得た思いだ。絵本の力はすごい。
日本中が絵本の町になったとき、日本は真に心の豊かな国になるだろう。
- 女優 中井貴恵
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女優 中井貴恵
一冊の絵本を真ん中に親子で過ごす
あたたかい時間。それはたとえ短くても、忘れることの出来ない貴い時間となることがあります。
この映画はまさに「絵本」で結ばれた父と娘の物語。
家庭の事情で離ればなれになった父と娘をつないだものは一冊の「絵本」でした。
映画の舞台の一つとなったのが北海道剣淵。
ここは絵本の里として知られる町です。
「絵本の館」のその蔵書数もさることながら、仕事の合間に大人たちがする読み聞かせは町の宝。
身を乗り出し物語にどっぷりとつかる子供たち。
そして読み聞かせる大人たちの楽しそうなこと!
私も一出演者としてこの剣淵でのロケを存分に楽しみました。
スタッフ、キャストの熱い思いのこもった映画「じんじん」どうぞお楽しみください。
- メインロケ地
北海道上川郡剣淵町 -
メインロケ地 北海道上川郡剣淵町
大地さんが出会った“絵本の里” 豊かな心を育む思いやりの町
『じんじん』のメインロケ地である剣淵町。
20年以上前から“絵本”を題材にまちづくりを進めてきました。
町では、読み聞かせ、原画展、親子教室などのほか、毎年メインイベント「絵本の里大賞」を実施。
町民ひとりひとりが絵本の持つ温もりと優しさに触れ、人を思いやる豊かな心を育んでいます。
映画撮影にあたっては、エキストラの手配や炊き出しなど、全面的に町、町民が支援をしてくださいました。
国内外の絵本がそろう「絵本の館」はもちろんのこと、桜岡湖を中心とした美しい自然に出会える「桜岡公園」、「ビバアルパカ牧場」など、町内各地で撮影されています。
スクリーンに映し出される“絵本の里”にご期待ください。
- サブロケ地
宮城県宮城郡松島町 -
サブロケ地
宮城県宮城郡松島町震災復興に向けた歩み―
映画を通して“元気な松島”を発信
日本三景のひとつ「松島」は、東日本大震災を乗り越えて、復興への歩みを起こしています。
『じんじん』では、大地さん演じる主人公・銀三郎の居住地として登場。
「瑞巌寺」や「五大堂」といった名勝や、松島の絶景を一望できる湯宿「一の坊」などで撮影されました。
国内外からの観光客でにぎわう松島の姿を、ぜひご覧ください。